コミュニケーションを磨くことで、できること
a. 患者さんにあなたができること
何でも話せる安心感を得て、医療者を信頼することができる。
それによって、患者さんが
- 怖さ・苛立ちなどの感情を横に置けるようになる。
- 気がねや躊躇なく、本音や要望を言うことができる。
- 病気としっかり向き合えるようになる。
- 病気を治すため、自発的に行動するようになる。
b. 患者さんの家族にあなたができること
- 家族が病気という一大事による心配や不安、動揺に、惑わされないようにすることができる。
- 患者さんの家族が、患者さんの支えになることができる。
c. あなた自身に起こること
- 患者さんの状態を感じるセンスが高くなる。
- 患者さんの言えないでいる思いや症状を引き出せる。
- 患者さんの信頼を得て、治療効果が高くなる。
- 患者さんに、しっかり話を伝えることができるようになる。
- クレーム、医療ミスが減り、ストレスが軽減する。
- それまで苦手と思っていた人との関係が変化する。
- 職場の人間関係が向上し、やりがいを感じて働くことができる。
d. リーダー(院長・主任など)ができること
- 人を育てる、組織を運営するセンスが向上する。
- 耳の痛いことも、相手に届く形で伝えることができる。
- スタッフが自発的に働き、患者さんに支持される医療現場を つくることができる。
e. 医院全体に起こること
- 職種や役職の違いから遠慮することなく、
全員が患者さんのために意見を出し合い、医療を提供する組織になる。 - スタッフがお互いを尊重し、一人一人が専門家として能力を発揮できる組織になる。
- 患者さんにも、医療者にも安心できる居心地のよい空間になり、評判が良くなる。
- 職種や役職の違いから遠慮することなく、
スタッフが定着し、経営が安定する。
患者さんに支持され、スタッフが自発的にイキイキと働く医療現場をつくることができる。
<医療現場のコミュニケーションに大切な5つのキーワード>
1 アップセット
不安、辛い、怖い、あせり、困惑などの感情にとらわれて、適切な判断や行動ができない状態のこと。
2 聴くことで生まれる効果
ただ聴くことで、お互いの感情を横に置くことができる。
そのことで、自分でも気づいていない思いが湧いてきたり、本音を言うことができる。
感情にとらわれず、適切な判断や行動ができるようになる。
3 パートナーシップの関係
受身や依存的な関係ではなく、
「何でも話せる」「何を言われても、その関係は崩れない」という関係。
4 相手が行動を起こす伝え方
言われたから行動するのではなく、相手が自発的に行動を起こすコミュニケーション。
指示や命令ではない伝え方。
5 抵抗のメカニズム
新しい行動を、やりたい、やめたいにもかかわらず、
「意味がない」「自分には無理」など、あらゆる言い訳を使って
行動や成果が出るのを止めようとするメカニズム。
(藤田菜穂子作成)
プログラム監修者
岸 英光
プログラム監修者・ビジネスコーチ
コミュニケーションで、相手から結果につながる探究と行動を引き出すことができます。
今や、このスキルはビジネス・教育・医療・福祉等、あらゆる分野で活用されています。
特に、医療の現場では、患者とドクター、スタッフの関係が非常にダイナミックかつデリケートです。
そのような中で、信頼関係の上に患者が主体的に治療に取り組み、
しっかり指導を守り、クレーム等が減る。
医療従事者も仕事に誇りを持ってイキイキと主体的に的確に取り組む。
そんな現場になるかは、まさに効果的なコミュニケーションが行われるかどうかにかかっています。
ここで学ぶセンスはどれも、間違いなくその大きなパワーとなります。